服づくりや染色を通して地元の繊維業の魅力を発信!
関係するSDGsの目標
渦(うず)japanについて
愛知県西尾市一色町にあるアパレルブランドです。2016年に空き家だった古民家を改装しSHOP兼工房を構え、草木染めを施したハンドメイドの衣服や雑貨を手売りすることから事業をスタート。現在は素材企画、デザイン、縫製、染色、販売と、川上から川下までの工程を愛知県内で行われています。様々なクリエイターたちとコラボレーションすることで『渦japan』から地元の繊維産業を盛り上げられるようなヒット商品が生まれています。
サスティナブルを意識したものづくり
愛知県三河湾沿岸部は、昔から繊維の産地であり、地域の積み上げられた歴史やストーリーによって、現在も素晴らしい繊維加工技術が残されています。そういった地域性を大切にした服作りへのこだわりが『渦japan』の特徴と言えるでしょう。生地は愛知県内産の三河木綿や知多木綿を、染料は植物をメインとした天然染料を使っていますが、中でも最近では不要になった農作物や商品として飲めなくなった西尾の抹茶などを再利用して染色しているものもあります。
また無料で染め重ねなどのアフターフォローサービスもあり、買った人も長く着ることができて嬉しい。また、使い終わった染料の出がらしはコンポストとして堆肥化する取り組みも行っています。その他にも工場で余った残反・残糸をアップサイクルした新商品の開発や、ハギレの販売など「もったいない」を価値に変えるような取り組みにも積極的です。このようなサスティナブルを意識した“ものづくり”は、今後“使う者”と“作る者”のトレンドとなっていくのではないでしょうか。
残反・残糸をアップサイクルした新商品の開発
新商品開発のキッカケは『渦japan』が実施していた、行き場の失った生地やハギレの有効利用。計算してみると創業から3年間で救った 残反・残糸の量は生地にしておおよそ10,000mにもなったそうです。これは「新しい価値」として共有したほうが良いという結論に至り、新企画を考案。三河エリアで行き場を失っている生地や糸を、『渦japan』のアイディアで「もったいない」を「面白い」に変えようと生まれたのが『MOTAiiNA(モッタイイナ)』という新商品です。三河地域の繊維工場に眠る生地や糸の買い取り・引き取りを行い、商品をデザイン・製作してお客さまに販売するという流れ。西尾市で60年以上もリサイクル繊維を原料に特殊紡績で作られた糸を活用し環境にやさしい商品を作り続けている『石川メリヤス』も『MOTAiiNA(モッタイイナ)』に賛同している協力企業です。このように、「もったいない」を価値に変えるやさしいサイクルがここ西尾を中心に広がっています。
今後の展開(ビジョン)
『渦japan』で働いているスタッフは子育て世代の女性がメイン。肌にやさしいものや環境にやさしい製品の開発には、リアルな意見交換ができる子育て世代の女性が必要不可欠と言えるでしょう。「地域に密着した服作りとそれをブランディングすることで地元繊維産業への興味を持つ人増やしたい」このような想いで商品化を進めてこられました。町での雇用が生まれるように魅力の伝承や次世代を育てていく取り組みとして、小中高にて学校での染色体験や、職業についての学習などの講義も行なっています。「色々な企業やクリエイターと連携して新たなものを開発し、さらに繊維業を盛り上げていきたい」という『渦japan』の強い想いが誰かの心を動かし次世代に繋がる大きな輪になってゆきます。
(*染色体験などはコロナの状況を鑑みて再開等していきますのでご了承ください。)