SDGs VOICE

SDGsの取り組みをピックアップして記事形式で紹介しています

石川メリヤス有限会社

関係するSDGsの目標

石川メリヤス有限会社について

愛知県・西尾市吉良町で作業用・防寒用各種手袋と靴下の製造・販売を行っている会社です。昭和32年(1957)の創業以来、リサイクル繊維を使った作業用手袋や、防寒手袋や靴下などのいわゆるニット小物を生産。創業以来長く愛されている「サイコロ印」は石川メリヤスのオリジナルブランドです。社内は男性従業員よりも女性従業員の割合のほうが多く、3代目社長も女性です。まさに女性が活躍されている元気な企業といえます。その社長の大宮裕美さんは平成28年(2016)に会社を継ぎました。

リサイクルなのに高品質な作業手袋

昭和32年(1957)の創業当時から石川メリヤスが作り続けている『サイコロ印』の作業用手袋は、これまで多くの職人たちに愛されてきたロングラン商品です。会社のある西三河地方は戦前から繊維リサイクルが盛んな地域でした。
繊維産業の製造工程で発生する残糸や残反などを『反毛(はんもう)』というワタに戻す工程を経て再び糸に紡ぐのが特殊紡績(とくしゅぼうせき)です。経験豊富な職人たちがゆっくりと時間をかけながら糸にします。弊社ではそれを機械で編み、手作業で縫製し、仕上げる。このような手間暇が生む作業手袋は柔らかくて丈夫。何度洗ってもしっかりとしています。
限られた資材を繰り返し大切に使い、さらに出来上がった製品自体が長く使えるという事が持続可能性にもつながっていると思われます。


時代のニーズに合わせた商品開発

近年はSDGsが産業界のトレンドになっています。だからこそ石川メリヤスのものづくりに対する想いを伝えるために情報誌「サイコロ」の発行を年2回程度始めました。若い世代にも手に取ってもらいやすいように、時代のニーズに合わせた商品開発もどんどん進めています。先代の二代目社長であった石川君夫氏が開発し爆発的なヒット商品となったカカト保湿機能付きの靴下『ラブヒール』の魅力を再定義し、リ・ブランディング。肌に優しいニットマスクやニットの腹巻パンツも商品開発しています。SDGsの取り組みとして残糸や残反の再利用について取引先や他メーカーから相談が寄せられることも。愛知県一色町にあるアパレルブランド「渦-uzu-」と『カカトすべすべ極暖ソックス』や『おなかあったかコットンレギンス』など共同開発もしています。


今後の展望

作業用手袋を一般の人が使うイメージはひと昔前まではありませんでした。しかし、家に滞在する時間も長くなり、DIYを始める人も増えてきた昨今、作業用手袋のイメージもそれに伴い「かわいい」「プロっぽいのがカッコイイ」と世に広まりつつあります。また、サステナビリティの観点で注目されることも増えています。しかし、デザインが良いだけでは飽きられてしまう。価格もお手頃で使いやすいというような実用品としての価値を高めることが最も大事だと考えているようです。日本のものづくりが若い世代に受け継がれていくように、この三河地域の繊維産業も伝承されていく事を願い、今後も使う人の視点を持って、時代のニーズに合わせた商品開発を進めていきたいと思っているとのことです。


詳しい内容や関連情報


石川メリヤス有限会社