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こんにちは、運営事務局の明壁です。
SDGs関連の記事を読んでいたら「ジニ係数」という単語がでてきました。ご存じの人も多いとは思いますが、私自身初めて聞いた用語だったので、ちょっと調べてみました。

「ジニ係数」は所得格差を表す指標のひとつであり、この指標を提唱したイタリアの統計学者の名前が由来となっています。ジニ係数は0から1の間で推移し、0に近いほど格差が少なく、1に近いほど格差が大きいことを表します。0に近いほど格差は少なくなりますが、逆に言えば働いても働かなくても所得に差がないということにも繋がるので、必ずしも0に近ければよいという数値ではありません。(計算方法については割愛します)

ジニ係数には「当初所得ジニ係数」と「再配分所得ジニ係数」の2種類があります。
「当初所得ジニ係数」は、税金や社会保険料を差し引く前の所得をもとに計算した係数で、所得再配分前の格差を分析できます。一方、「再配分所得ジニ係数」は、税金や社会保険料を引かれた後の所得をもとに計算した係数で、所得を再配分した後の格差が分析できます。
この二つの係数を比較することで、格差を是正するための社会保障等の制度がどれくらい充実しているかを分析する指標とすることができます。ただし、ジニ係数は相対的な数値の変化しか表さないことから、所得差が同比率で変動した場合、ジニ係数は変わらないが格差は広がっているという場合もあるので、絶対的な数値として評価するのではなく、あくまでも指標の一つとして活用していく必要があります。

一般的に、再配分所得ジニ係数は0.4が警戒ラインとされており、0.5を超えると所得格差の広がりが大きく、国情が不安定になりやすく、場合によっては暴動や大規模なデモ等が起こる場合もあります。南アフリカは2021年時点での再配分所得ジニ係数が0.62と世界で一番高い状況にあります。
GLOBAL NOTEの資料によると、2021年の日本の再配分所得ジニ係数は0.34で世界13位です。アメリカ(0.38)やイギリス(0.35)よりもわずかに低いですが、世界的に見れば所得格差が小さくはありません。また厚生労働省の資料では、日本の再配分所得ジニ係数は1990年以降0.36~0.39程度の間でほぼ横ばいなのに対し、当初所得ジニ係数は1990年の0.4334に対して2021年は0.57と年々増え続けており、格差は広がっています。

格差が広がっている原因としては、非正規雇用の増加や、都市と地方との所得格差、製造業の海外移転などが挙げられ、2つの係数の差をできるだけ少なくするような国レベルでの対策が急がれるところです。個人レベルで解決できるようなことではないかもしれませんが、私たちも世界各国や日本国内での格差の現状や、格差によって世界で何が起こっているかを知っておくことは必要だと思います。

本日は以上です。